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体験者様のお声

5. 個性が輝く瞬間
【大阪府八幡市 50歳女性 Yさん】

ABD個性運命學・鑑定士である、八幡市にお住いのYさんは、7年前にご主人をなくされた。 

Yさんの夫は、代々つづく老舗料亭の跡取りのご主人であったが、働きざかりの50歳のとき筋梗塞で突然亡くなられた。他界後、料亭事業と不動産を売却することになった。
そのまとまった遺産をめぐって、相続争いが生じたという。

「うちとこは子供ありませんでした。親ももうおりませんから、主人の兄弟も相続人なるんです。」

民法は、この第3順位相続の、配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合配偶者3/4兄弟姉妹(2人以上のときは 全員で)1/4と定めている。

相続財産の大部分は料亭の事業と不動産であり、料亭は分割すると事業価値を失うので、一括売却して現金で分配するか、株式化して分割ということが現実的だったが、その取り分の比率を兄弟姉妹が同意せず、まったく相続手続きが進行しなかったのだという。

「とくに恐ろしかったのは、主人の東京の兄という人でした。毎晩のように電話をかけてきて、あの店は自分たち一族がずっと大切に育ててきたものであるのに、おまえに子供ができないから、他人の手にわたるのだ、と。申し訳ないと思わないのか?店を残したいなら、預貯金分をやるから、その他の相続分は辞退しろ、と迫ってくるのです。その後、電話出るのをやめたら内容証明郵便まで届くんです。」 

このことは弁護士に依頼の上で数年の裁判を経て事態が解決するのだが、これ以降は人間不信になってしまったという。

「私は学校出て18でいまのとこに嫁いできたので、一度も仕事をしたことがないんです。店でも手伝おうと思いましたが、義姉が女将でとりしきってましたので、あんたは家をしっかり見とけいわれて出入りさえさせてもらえへんのです。主人に死なれて、手に職もありません・・・」

預貯金があったのでとりあえずの生活には困らないが、少しでも仕事をしようと考えた。
自分には子供がなかったが、大の子供好きであったので、近所の小学校で学童保育の先生のアルバイトを始めた。
「私は性格が、もともとあんまり積極的ではないんです。引っ込み思案いうか、言いたいこともはっきりできず。そのせいか、人にからかわれたり、いらいらさせたり。あの相続のことがあって以来は、もう人が恐ろしくて恐ろしくてたまらなくなりました。子供を相手にしててでも、ときおり子供の言うことさえ恐ろしいときもあります。」

Yさんが唯一の自信を持っていたことは、年に数回行われる神社の祭礼で、雅楽の龍笛を担当して演奏することだった。子供のころから親しんだ笛の腕はプロ並みで、謝礼はわずかなので職業とはいえないが、神社の仲間は彼女を支えた。

その神社関係者からABD個性運命學の講座に誘われた。
仲間と誘いあって外出するのは楽しいが、Yさんはいつものごとくあまり積極的ではなかったらしい。

「こういう勉強をするのは楽しいのですが、じっさい相談を依頼されでもしたらとんでもない、と怖いんです。私のような気の弱いものが、ましてや社会の経験もないのに、人のこととやかく言うて進路を助言するだなんてぜったいに無理や思いました。」 

しかし講座内での仲間もでき、ステップを重ねていく。

もともと真面目なYさんは、2年あまりで課程を修了し、鑑定士として鑑定の仕事を受けられるようになった。当初は友人や友人の紹介で鑑定を始めて、通常の依頼者の鑑定をこなしはじめてからは、次のように感じたという。

「どんな人であっても人間は、自分を知るということが一番魅力的なものなのですね。だから、頭が良くて積極的な人が理屈をなんとかかんとか言っても、つまらない易者や予言者みたいなのでも、自分のことを言われると動かされてしまう。社会的に少し偉くなって、複雑な問題や手の打ちようがない試練にぶつかると、平生のうぬぼれがきかなくなって、どこそこにそのての明るい人があると聞くとやはり行って聞いてみたい、聞いたら気になってしょうがない。みんなそれほど自信のないものなのです。」

Yさんは、人がまったく怖くなくなったらしい。
鑑定士と依頼者という立場になるだけで、自分のような気の弱い者が言うことを、偉い人がまじめに聞いてくれる。彼らも、自分とそんなには違わないのだと。

余談だが、相続の裁判が始まってまもなく東京の義兄が事業の失敗で自己破産したそうである。
後になって考えると、あの執拗さは家業のことなどとやかくいいつつも、単に借金にまわす金が欲しかっただけなのだろうと思ったら、子供を作れなかったことで店を失ってしまう申し訳なさ、それがきれいに消え去ったという。 

「汝自らを知れ」と昔から言われるが、これがなかなかわからないものである。


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